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04 Trough stones

​つなぐ

through stone (スルーストーン)は、石積みの壁全体の中で非常に重要な役割を果たす要素であり英国式の石積みを構成する中でも機能的にも視覚的にも象徴的な要素の一つです。この石は、構築される壁の強度と安定性を確保するために不可欠であり、壁全体の構造的な一体感を提供します。


スルーストーンの機能と配置

スルーストーンは、壁の幅とほぼ同じか、少し長めに設置されるのが基本です。この石は、壁の両サイドを貫通し、両側の石をしっかりと結びつけることで、壁全体の構造を強化します。これにより、壁が崩れるリスクが大幅に減少し、長期間にわたって安定した状態を維持できます。

スルーストーンは壁の高さや幅に応じて、一定の間隔で配置されます。これにより、壁全体が均等に強化され、強風や土砂の圧力などの外部の力に対しても耐えられるようになります。
 

日本の石積みとの違い

土留として積み上げられる事が多い日本のドライストーンウォーリング(空石積み)では、スルーストーンのような貫通する石が使用されているのは見た事がありません。英国式のfree standing wall(自立する壁)wを象徴する要素だと言えます。しっかりと自立する壁を構築するためには、このスルーストーンの配置が欠かせません。


ファーストリフト(1st Lift)

Foundationからthrough stoneが入る段までを1st Lift(ファーストリフト)等と呼びます。1st Liftをしっかりと積み上げておく事で続く2nd Lift においても安定性を保つことができ、堅牢な壁を構築する事ができます。
 

まとめ

スルーストーンは、ドライストーンウォーリングにおいて非常に象徴的な役割を果たす石です。壁の強度と安定性を確保するためには、適切な配置と設置が必要です。日本の石積みにはない機能ですが、とても機能的です。しっかりとしたスルーストーンの使い方を理解することで、より強固で長持ちする壁を構築することが可能となります。

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