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石積みのような陰影を楽しめる? 庵治石を使った乱張りのアプローチ

今回の現場は乱張りのアプローチの施工、
用意して頂いた材料は香川県産の庵治石です。

厚みは50〜100mm程度、一般的なアプローチに敷き詰める石材としてはかなり厚みのある材料です。

 

メインのアプローチにこの材料を敷き詰めた風景を想像してみます。


グレーから錆色まで一様々な色の石があり一つの石の中にも豊かなグラデーションが見られます。


様々な形や色味を楽しめるアプローチになりそうです。 

 

 

長い時間をかけて丸みをおびていますが、割と角のはった石が多いことがわかります。


通常の乱張りのイメージですとついつい角に手を入れたくなりそうな形状ですが、庵治石の特徴として石の目がキツいことがあります。

 

木目のように石の中にハッキリとした節理があり庵治石の場合その流れが複雑で加工する前に完全に見分けることが出来ません。


無理に思った形にしようとしても上手くいかない事が多くなりますし、

丸くなった角を落としすぎると作為的に角のたった石となってしまい長い時間をかけて柔らかく丸くなった石の持ち味を損なってしまうかもしれません。

 

加工に凝ることも悪いことでは無いと思いますが、割ってしまった石を元の姿に戻すことはできません

施工にかかる前にまずは使う石の特性や仕上がりを想像する時間を大切にしています。

少し仮置きをして見ました。

一般的な乱張りの材料に比べると表面の凹凸が大きめですが適度な目地幅で仕上げることで

その凹凸と目地の作り出す陰影や庵治石の持ち味である豊かな色味を楽しむことのできる。

「石積みのようなアプローチ」そんなイメージが湧いてきました。

一つ一つの石の表情を楽しみながら仕上げを進めて行きます。


庵治石を使った仕上げは初めてではありませんが、同じ産地とはいえ全く同じ石は二つとなく、いつも新鮮な気持ちになります。


特に庵治石は個性豊かで最後まで完全に仕上がりを予測することが出来ないのが楽しみであり、気の抜けないところでもあります。

少しずつ仕上がりが見えてくるのが楽しみで、ついつい遅くまで石をさわっていたくなります。


『照明が入るとどんな風に見えるか』、いろいろと想像を膨らませながら作業を進めています。

作業用の照明ではありますが、それぞれの石の表情を感じることができ

目地幅も狭過ぎず、広過ぎず、適度な陰影を映しているように感じます。

このあたりまで来ると、お客様から


『良いのが出来て来たな〜!』


と毎日声をかけて頂くようになりました。

何年この仕事を続けていても褒めて頂くのは嬉しいですし、お客様好みの仕上がりになっている確信を持つことができるので益々力が入ります。

 

 

 

 仕上がり。

手前味噌ですが
自然形の庵治石の持ち味を活かした良いアプローチになったのではないかと思います。


時間や季節によって様々な表情を見せる石積みのようなアプローチ。これから少しずつ出来上がって行くお庭と共に永く楽しんで頂ければ幸いです。