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  • 執筆者の写真Kentarou Sakae

石のソファ

更新日:2021年9月9日


今日は京都の西陣織の老舗、細尾さんへ。

12代目当主の細尾真孝さんがメディアでお話をされているのをみかけた時に


「鉱物から着想した生地がある」


とおっしゃっていたのを見て以来、どんな生地なのか気になっていたのですがやっと見にこれました。せっかくなので開催中の展示も一緒に楽しませて頂きました。



4色の版築と黒漆喰の壁が印象的な「HOSOO FLAGSHIP STORE」はイギリス出身の建築家、デビッド・チッパーフィールドのもとで学んだという、弟さんの細尾直久さんの作品。


石やタイル、金属、コンクリートといった相異なる素材を「織物」のように美しく織り上げることを意識された建物からは高級感と共に素材の質感や熟練の職人さんの気配を感じることができます。


初めてなのでチョット緊張しながら入ってみると『ギャラリーですか?』とお店の人に声をかけて頂きました。「はい。」と返事はしたものの「ギャラリーはどっちかな?」とキョロキョロしているとお店の方が店内の2階のギャラリーまで案内してくれました。



さらに「展示内容で気になる事があれば聞いてくださいね」と至れり尽せり、撮影も大丈夫とのことだったのでシッカリ撮らせて頂きました。









Ambient Weaving -環境と織物- 展


UVで硬化するチューブを織り込んだ生地を水につけ、その動きを写しとった「Memories of flow」や特定の温度に達すると変色するように調合されたロイコ染料を紙に塗布し、西陣織でも用いられる「箔」と同じ要領で折り込まれ、展示室内の温度を可視化する「Wave of Warth」等、伝統や自然と言った言葉のもつイメージとはチョット違った実験的な作品を楽しませて頂きました。


大判のパンフレットが用意されているのでギャラリーに入る前にloungeでユックリ目を通しておくのがお勧めです。






一通り展示も見終わったので気になっていた石をモチーフにした生地について聞いてみると、1階の店舗にその生地を使ったソファが展示されていました、その名も「STONE」。







織物のことは全然わかりませんが、とりあえず高級感はが凄いです。

「クリスチャン・ディオール」や「シャネル」、「カルティエ」、「エルメス」、「ルイ・ヴィトン」、「ヴァンクリーフ&アーペル」等、多くのブランドの内装やインテリアを手がけるHOSOOさんがどのような経緯で「STONE」の開発に至ったのかはわかりませんが、石の職人として勝手に感動に浸らせて頂きました。







「Memories of flow」で使用されているのも「STONE」の生地だと教えて頂きました。水の動きを石に写しとる試みとも言えるのかもしれません。





1200年の歴史をもつ西陣織、元は朝廷や貴族など裕福な人々のもとで発展し続けてきたそうです。そうして受け継がれてきた伝統と技術革新の結晶ともいえる「STONE」のクッションが34,100円から購入できます。



これさえあればどこでも貴族気分間違いなしですね。




「西陣織といえばSTONEでおじゃる」




と朝廷の方々が言っていたかは定かではありませんが機会があれば是非。


「LIME STONE」という生地もあるようですが見せて頂くのを忘れてしまったので、また改めてお伺いしてみたいと思います。
















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